本気になるとは、自分の目標にむかってがむしゃらになること。目標実現のためには全身全霊を傾ける一点の曇りもない気持ち。それが本気だ。目標は逃げない。だから全力で立ち向かわないと近づかない。明確な意思を持ち、目標を達成させると本気で思うこと。それが大切だ。実験に失敗したり、論文原稿が不受理になると、誰でも落ち込むもの。そんな時こそ、渾身の力を振り絞って立ち上がろう。失敗やどん底の経験、そして逆境を乗り越えてチャンスを掴んだ経験。それはかけがえのない経験になる。キング牧師の言葉を思い出す。

「たとえ命を投げ出してでも達成したい目標が見つからないなら、生きている意味はない。」

心底やりたいことが見つかると、人間はエネルギーが溢れだし、目標に向かって脇目も振らずに猛進する。目標と情熱が一致した状態、それが「夢中」だ。研究は芸術と同じく、夢中になってやった成果を広く世の中に問うことができる貴重な分野である。夢中に取り組んだ成果を、現在そして未来の人々に伝えることができる。何と素晴らしいことではないか。

研究は自己をとことんまで見つめ直すことができる。研究を通して、自分の強みを認識する。自分の強みを知った人間は今後の人生で迷うことはないだろう。そして、その強みを活かして人生を歩むことだ。ドラッカーの真髄を実践しよう。

「不得意なことに時間を使ってはならない。自らの強みに集中せよ。」

プロ意識とは自分の仕事に誇りを持ち、仕事のレベルを世界最高水準にまで高める努力を日々惜しまない意識である。研究を通じて、自分の中でプロ意識を確立した経験が、今後の人生を切り開いていくであろう。