日本学術会議生物科学分科会提案された,「高等学校の生物教育における
重要用語の選定について(改訂)」に関する生科連の考え方と要望
生物科学学会連合代表 小林武彦
令和元年7月8日に日本学術会議生物科学分科会より,「高等学校の生物教育における重要用語の選定について(改訂)」が報告されました。これは,同分科会が2017年に作成した「生物重要用語リスト」を,生物科学学会連合加盟学協会からの意見を参考にした上で見直し,最重要251語,重要243語の合計494語を選定したものです。高等学校の生物教育で扱われる用語の多さが,学習上の障害になっているばかりでなく,大学入学試験等にも深刻な影響を与えてきたことを是正するために,大きな効果が期待されています。この報告に関し,生物科学学会連合は,下記の要望書を取りまとめ,加盟の学協会,独立行政法人大学入試センター長,高等教育機関長及び入試担当部署長様宛にお送りしました。
記
生物科学学会連合からの要望
生物科学学会連合は,日本学術会議が行った生物重要用語の選定を支持します。
つきましては,大学入学試験等の「生物基礎」及び「生物」に関して,原則として下記の1~5に従って問題を作成していただきたく要望いたします。
1.直接的に用語を問う場合は,日本学術会議の提案した「高等学校の生物教育における重要用語の選定について(改訂)」*の重要用語494語の中から出題する。
*URL:http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-h190708.pdf
2.解答を導く際に,重要語合計494語以外の用語の理解が必要な場合は,リード文中に解説や注釈をつけるなどの配慮をする。
3.作題や問題チェックの際には,重要用語494語のリストを参照して,上記1と2の指針に従って入試問題が作成されていることを確認する。
4.2020年度入試問題については作問完了のものもあることを配慮して可能な範囲内で,2021年度以降の入試からは着実に実施する。
5.現役受験生が使用している教科書に未掲載の用語名については,教科書に掲載されている用語を優先する。教科書が改訂された後は,掲載された用語を優先して使用する。
加盟学協会
個体群生態学会,染色体学会,日本味と匂学会,日本遺伝学会,日本宇宙生物科学会,
日本解剖学会,日本細胞生物学会,日本時間生物学会,日本実験動物学会,日本植物学会,
日本植物形態学会,日本植物生理学会,日本進化学会,日本神経化学会,日本神経科学学会,
日本人類学会,日本生化学会,日本生態学会,日本生物教育学会,日本生物物理学会,
日本生理学会,日本蛋白質科学会,日本動物学会,日本農芸化学会,日本発生生物学会,
日本比較生理生化学会,日本比較内分泌学会,日本微生物生態学会,日本分子生物学会,
日本分類学会連合,日本免疫学会,日本薬理学会(五十音順)