代表挨拶

2019年-2020年 生物科学学会連合代表 小林武彦

生物・生命科学は、私たちの生活になくてはならない食料・医療・生活環境に深く関係している学問分野です。また新型コロナウイルス感染症のような人獣共通感染症を未然に防ぐ対策として、免疫や微生物のみならず、生き物の生態や多様性といった自然や野生生物との付き合い方を研究・教育しておく必要があります。これは感染症対策のためのみならず、地球環境に最も影響力のある私たち人類の責務でもあります。

生物科学学会連合は、生物科学、生命科学関係の学会が協力して、当該分野の研究・教育に関する諸問題、および社会との連携についての意見を交換し、分野の発展ならびに持続可能で安全な社会の形成に寄与することを目的としています。現在、32団体が加盟し、のべ9万人の研究者が所属しています。

今期、生科連が活動の中心に置いているのは次の3点です。

1、地球環境の悪化、それに伴う生物多様性減少の問題

人類の生存にとって、さまざまな生物種が共存する環境が必須です。昨今の地球環境の悪化は、生態系のバランスを崩し始め、生物の多様性を急速に減少させています。地球環境の大切さ、そして生物科学の重要性について発信していきます。

2、研究者のおかれている教育・研究環境の問題

任期等による若手研究者のキャリアパスの問題、研究・教育予算の深刻な不足、など平成の時代に始まり解決できないまま繰り越される問題について、研究者側からの意見、改善策を積極的に表明してまいります。

3、生物教育、および大学入試・教育用語の問題

自然科学の知識は次世代に継承されるべき人類の重要な知的財産です。初等、中等教育においても、それらをバランスよく学習し基礎を固めることが大切です。21世紀は生命科学の時代と言われています。そこで活躍できる視野の広い人材育成に協力していきたいと考えています。

上の3つを中心に専門家集団としての意見を発信し、一般の方々、行政に訴えかけていければと考えています。生科連が生物科学分野の一層の発展、そして持続可能な社会形成に貢献していくためには、加盟学会のみならず関係する皆様のご協力が不可欠です。何卒よろしくご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

生物科学学会連合 代表
小林 武彦(東京大学定量生命科学研究所・教授)
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